※これは2011年にアメブロに投稿した記事をリライトしたものです。
チャリの変速ギヤが壊れてしまい、ほとほと困って近くの業者に持ち込んだ所、シールを見て一言「買ったとこで直してもらったらいいっちゃ」。「大手で買った自転車は、持ち込まれても修理はしない」そんな約束事が業者間であったようです。
その業者、数年後は更地になってましたけどね…。
— 鈴木博之(鈴木ボデー・宮城野合氣修練道場) (@suzukibody) February 8, 2022
自転車のペダルが空回り
学生時代のこと。
帰宅途中に自転車が壊れ、どうしても走らなくなったことがあった。どのギヤに入れても、ペダルが空回りしてしまう。外見でわかるような故障はなく、恐らくギヤ内部の故障。
とにかく帰らないと仕方がないので、近くにある自転車屋さんに駆け込んだ。そこは「三丁目の夕日」のような、昭和の香りがする、小柄なオジサンが経営する自転車屋さんだった。
買った所で直したらいいっちゃ
そのオジサンは私の自転車を一瞥すると「買った所で直したらいいっちゃ」と言い放ち、仕事に戻っていった。
取りつく島もなかった。
私に全く落ち度はない。困った挙句に駆け込んだのに、このような扱いを受けて、憤慨しながらも自転車を押して自宅に帰った記憶がある。
帰ってから速攻で「買った所」に電話した。軽トラで10分で取りに来てくれて、翌日には受け取る事ができた。
黒船襲来
昭和な自転車屋さんで私がなぜあんな扱いを受けたのか。その理由が分かったのは最近のこと。
自転車屋さんはカルテルを作っている。
低価格競争を避けるために、どの店も同じ料金で同じサービスを提供し、どのお店も律儀にそれを守っていたのだ。
ところがそこに「ダイシャリン」という名の「黒船」が現れた。
その店はカルテルに属さず、大量に仕入れては安く売る。それまでの常識を破る自転車屋さんだった。
お店の作りもキレイで、接客応対も良く、沢山の自転車の中から気に入ったものを選べるとなれば、どうしたってお客さんはそっちに流れる。
その結果、街の自転車屋さんは軒並み売り上げがダウン。自転車屋さんのカルテルにとってはまさに「黒船襲来」という出来事だった。
自転車屋さんのカルテルはどうしたか?
そこで「自転車屋さんのカルテル」はどうしたのかというと
「ダイシャリンで買った自転車の修理持込は、すべて断る」
という最悪の対応を選んだ。
自転車のトラブルで困っているダイシャリンのお客さんを無下に追い返す。
これを繰り返すことでダイシャリンの評判を落とそう、そう考えたらしいのだが、何ともアホすぎる・・・。
当時私が乗っていた自転車もダイシャリンで購入したもので、エンドユーザーであった私は、そのアホすぎる対策の被害をモロに受けたのだ。
昭和な自転車屋さんはどうなった?
今でも自転車屋さんのカルテルはあるのだろうか?あのアホすぎる対策で、売り上げはどの程度守れたのだろうか?
さて私が酷い扱いを受けたその昭和な自転車屋さんだが、ほど近くに「あさひや」という大手自転車販売店が支店を出した。あの自転車屋さん、今度はどんな対策を打つのかな。
昔と同じ対策しか打てないのなら、生き残ることは不可能だろう。
自動車整備工場を経営する私としても、他山の石としたい。