そろそろ冬タイヤのシーズン履き替えの季節ですね。
ご自分で交換される方もいらっしゃると思いますが、自動車整備士としてアドバイスが2点あります。
タイヤ交換は水平な舗装された場所で
タイヤ交換の際は水平な舗装された場所で行って下さい。
駐車場はたいがい「傾斜」がついています。雨が降った時に、水はけを良くするためです。試しにエンジンをかけてギヤをニュートラルにし、ブレーキを離してみて下さい。自然とクルマが動き出すなら、傾斜がついています。
その場所でジャッキアップして作業をしていると、クルマが動き出してジャッキが倒れるなんてこともあります。ちょっと想像して欲しいのですが、タイヤがない状態でクルマが接地したとしたら・・・極端なシャコタンと同じで、そこからの復旧には、私でも手こずるでしょう。
もちろん、砂や砂利の上でジャッキアップは厳禁です。砂にジャッキが沈んだり、砂利の上でジャッキが倒れたりしたら(以下略)。
締め付けトルクをご存じですか?
タイヤを固定するホイールナットには「締め付けトルク」が規定されています。
クルマによって違いますが、おおむね12kg・mです。1メートルの長さのレンチがあったとして、その端っこに12kgの重さをかけて締め付ける、そんなイメージです。
車載工具のレンチだと、長さ40センチ位でしょうか。40センチは1メートルの1/2.5なので、12キロの2.5倍の力、つまり30kgで締め付ければ適正なトルクと言えるでしょう。
足で踏んでホイールナットを締め付けると
車載工具のレンチを使い、ホイールナットを足で踏んでタイヤを締め付ける光景をよく目にします。
鉄ホイールだと「ギッ」と鳴りますが、実はそれ、締め付け過ぎなのかもしれません。
40センチのレンチでしたら、レンチの端っこにかける適切な重さは30kg。でも「タイヤが外れたら困る」という心理が働くのか、それ以上の力をかけて締め付けてしまいがちです。
中には全体重をかける人もいるようですが、成人男性の体重で60kgはあるでしょうから、明らかに締めすぎですね。
そうやって体重をかけて締め付けられると、ボルトが塑性変形、つまり伸びてしまいます。ボルトが伸びると、ピッチと呼ばれるネジ山の間隔も伸びてしまい、ナットが外れなくなったり、締め付けができなくなります。
そうなったボルトとナットが↓こちら↓です。
ボルトが伸びたら国分町
ボルトが伸びてしまうと、ホイールナットが外れなくなります。こうなったら、ボルトとナットを破壊してでも外すしかありません。
当然両方とも交換なのですが、例えばフロント側のボルトを交換するとなると・・・
- ブレーキキャリパ脱着
- ブレーキロータ脱着
- ドライブシャフトロックナット脱着
- Fハブ脱着
- ABSロータ脱着
- ボルト交換(←ここまでやってようやく交換できる)
- Fナックル脱着(ABSセンサ、タイロッドエンド、ロアアーム、ストラットとの接続を外す)
- FナックルとFハブをかん合
- 組立
と、これだけの手順が必要になります。
ここまで行くと、作業時間は1時間。道具と設備と経験があってこの時間ですから、どれかが欠けていたら、丸一日の作業になりますね。
金額で言うと約6,000円。ディーラーなら1万円は取られるでしょう。この金額、国分町で1回飲める金額ですね。
専用のトルクレンチを使いましょう
ホイールナットの締め付けトルクは、専用の「トルクレンチ」を使いましょう。
「プリセット型」と呼ばれるタイプでしたら、120N・mに設定して締め付ければ、設定されたトルクで「カチッ」という感触が伝わってきます。それ以上締め付けなくても大丈夫です。
締め付ける順番は、対角線が基本です。
ナット4つなら胸の前で十字を切るような順番で、ナット5つなら一筆書きで☆を描く順番で締め付けます。
最初に仮締めしてハブとホイールの当たりをつけ、それからトルクレンチで締め付けるといいですね。
タイヤ交換は鈴木ボデーへ
冬タイヤへのシーズン履き替えは、鈴木ボデーへお越しください。
タイヤ交換、締め付けトルク確認、空気圧調整、ここまでやって1台2,160円(税込)です。
その際、タイヤの状態を見て必要なアドバイスをしたり、オイルやグリースの漏れ、異音や振動、匂いなどから故障の予兆を察知して、必要なアドバイスを行います。
スズキ車オーナーでしたらタイヤ交換が半額に
スズキ車のオーナーですか?2015年(平成27年)以前のスズキ車でしたら、「愛車無料点検」を受けて頂くと、タイヤ交換の料金が半額の1,080円になります。
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