気づき

「教祖様」へ

投稿日:2014年3月13日 更新日:

仙台の鈴木@道場長です。

世の中で一番重い罪とされているのが「誘拐殺人」ですね。極刑が課せられる重大な犯罪です。では、あの世から見た一番重い罪は何だと思いますか?諸説はあるようですが、一番重い罪は「神を語る事」だそうです。

神を語る。どこぞの山奥で独りでやってくれれば何の問題もないんですが、「私は神だ」などと語っては人を集め、沢山のお布施を集めて大儲け、というケースがまさにこれ。一番の問題点は「お金儲けした事」などではなく「『信仰心』という尊い気持ちを、私欲のために利用した事」なんだと思う。

何でもそうですが、人が集まると「組織化」が行われます。商売では組織があったほうが効率がいいんです。会社組織として足並み揃えて動いたほうが儲かりますから。それが給料の原資になるしね。でも、それを宗教でやっていいのかという事ですよ。

最初は「理念」「教義」というものがあったはずなんです。世の中こういう問題があって、苦しんでいる人がいる、そういう人達を一人でも救いたいからこの教えを広めたい。最初はそういう素晴らしい理念があったはず。あったはずなんだけど、それを広めようとして組織を作ってしまうと、今度は組織を維持するためにどうしても無理を通さなければならない時が来る。なんちゃら会館の固定資産税だって、教祖の給料だって必要でしょ。法人化すれば決算だって作らなきゃならないし、税理士に報酬も払わないとならない。職員とその家族の生活を保証して、時にはボーナスも支払わないとね。

そうなってしまうと、素晴らしい理念もだんだん霞んでくるという訳です。「教祖様、赤字になりそうです」→「うむ、もっと勧誘に力を注いで信者を増やすのじゃ。」 「教祖様、脱退したいとの申し出が」→「地獄に落ちても良いのかと言うのじゃ。」 「教祖様、巷では『すぴりちゅある』なる言葉が流行っているそうでございます」→「うむ、うちが『すぴりちゅある』の元祖だと宣伝するのじゃ」ってね。こんな感じでだんだん曲がっていっちゃう。

世の中色んな宗教があるけれど、人の恐怖心を煽って勧誘する、教祖が大儲けしている、高そうな施設をバンバン建てている、政治の世界に乗り出す、生活を圧迫するほどのお布施を要求する、有名人を広告塔にする、家族との決別を促すなどがあれば、距離を置いた方がいいと思う。

神奈川県大和市のボロアパートに住んでいた頃、隣の部屋に住んでいたご夫婦がどこぞの宗教に入ってた。その部屋の前を通らないと自分の部屋に入れないんだけど、着飾ったオバサマ2人が隣の奥さんと玄関前で立ち話してたところに私が帰宅。「あら~立派なご主人だこと」と言ってなれなれしく私の身体を触ってくるオバサマ。隣の奥さんは気が弱く、オバサマ方に「隣のご主人です」と言えない。私もちょっと憮然としながら「俺は隣だ」と言ったら「アラ、ヤダ」と言いながらサササッと引っ込んだ。この一件でお隣さんとは口をききにくくなっちゃったじゃねーか。若くてキレイな奥さんだったのに(笑)

またある日、休日に玄関前で洗車してたら、6才位の女の子を連れた、着飾ったご夫婦が現れた。ダンナらしき人が「こういう活動をしているんです」と言ってパンフを手渡そうとする。目を見たらわかる。悪気はないし、純粋に自分の信じる宗教を広めようとしている真面目な人。でもね、でもよ、せっかくの休日なんだから、その娘を連れてディズニーでも行ってやったらよ、娘はホント喜ぶんじゃないの?宗教より先に人。人の親としてやるべきことがあるんだよ。そういう旨をやんわりと伝えてお帰りいただいたけど、娘さんの真っ直ぐな瞳をみたらちょっと切なかったな。どこの宗教だか知らんけど、ホント、罪な宗教だねぇ。

またまたある日、大和駅前で嫁さんとデート中に、「手をかざす人」が現れた。いかにも柔道出身っぽいガタイのいい兄ちゃんが「絶対にいいですから。効かなかったらぶん殴ってもいいですから」などと言って強引に手をかざそうとする。「よっしゃ、じゃぁ一発ぶん殴ってやるか」とベンチから立ち上がりかけたら、嫁さんが私の腕をグィッと自分の腕に絡めて「デート中なんです。邪魔しないで」と。その一言でガタイのいい兄ちゃん、スゴスゴと退散。嫁さんすげー。ちょっと惚れた(笑)

何を言いたかったんだっけ。そうそう、一番の罪ね。インドの哲学者で「ジッドウ・クリシュナムルティ」という人がいた。調べてもらうとわかるけど、若い頃はめっちゃイケメン。星の教団という宗教団体の教祖をしてたんだけど、組織を維持するためだけの活動や、自分を盲信して家族や生活をないがしろにする信者にだんだん嫌気がさし、3,000人の信者を前に「真理は組織化し得ない」という言葉を残してついに解散宣言をする。3,000人も集めたのに、解散しちゃうんだよ?日本の「教祖様」にこれができる?豪邸に住んで、美味いもの食べて、高い車を何台も所有して、自分を盲信する信者に囲まれて。それらを捨てて、単独で最初の理念に戻るだけの覚悟がある「教祖様」が一体何人いる?

あなたがた「教祖様」を信じたばかりに、お隣さんとすら疎遠になってしまう、休日に娘と遊んでやることすらできない、他人のデートの邪魔をする、そんな信者になっちゃんたんでしょ?ご近所さんとの交流、家族との大切な時間。そういう人として当たり前の事を大事にするよう教えて下さい。ホントお願いしますよ。宗教で嫌な思いはもうたくさんなんでね。

では~

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