故障修理事例

エンジンからキュルキュル音が鳴ってかからない|冬・雨・寒い日・エアコンかけたとき

投稿日:2020年7月10日 更新日:

エンジンからキュル音。気になりますよね。その原因は何でしょうか?原因や対処法は様々かもしれませんが、私が経験してきた事例をお話したいと思います。

エンジンをかけたらキュルキュル音

キーをひねって、あるいはボタンを押して、エンジン始動。その瞬間から鳴り出すキュルキュル音。エンジンの回転と同期するようにキュルキュルキュルと鳴り続けます。かなり耳障りな高音で、アクセルを踏むと音がより高くなり、周囲に迷惑かな?と思いながら周囲を見渡した頃にフッと止まる。

こんな症状が出始めたら、早めにお近くの自動車整備工場に相談しましょう。

キュルキュル音はするけどかからない?

キュルキュル音はするけどエンジンがかからない。この場合は、キュルキュル音はセルモーターの音ですね。エンジンが始動しない主な原因は「圧縮」「燃料」「火花」のどれかです。通常「圧縮」は除外して考えますから、考えるのは「燃料」か「火花」です。

「火花」の場合は、エンジンが全くかからないという事はなく、不安定ながらもエンジンが始動することが多いので、考えるのは「燃料」です。

意外な所で「燃料切れ」があります。付箋紙にタスクを書いてメーターパネルに貼っておいたら、燃料ゲージや警告灯に気が付かないという事例も実際にありましたので、案外馬鹿にできません。

ディーゼル車限定ですが、エアーエレメントの目詰まりで全くエンジンが始動しないという事例もありました。エアーエレメントを外したら一発でエンジン始動。トラックは工事現場に行くことが多いので、粉塵でエアーエレメントが目詰まりしやすいんですね。

冬だけキュルキュル音、寒い日にキュルキュル音がする場合

冬だけキュルキュル音がする場合や、寒い日にキュルキュル音がする場合、ベルトの張りが不足していて、ベルトが滑っている可能性があります。冬はエンジン本体及び冷却水がかなり冷えているので、早めに温めようとしてエンジンコンピュータがアイドリングを高めにするのです。

ベルトが滑っている状態でアイドリングが上がれば、キュルキュル音がするのは道理と言えるでしょう。

ベルトの張りが弱い場合、テンショナーでベルトの張りを調整してみましょう。

雨の日にキュルキュル音がする場合

雨の日にキュルキュル音がする場合、原因の一つとしてベルトの劣化が考えられます。ベルトにヒビ割れが入っていないか、摩耗していないかを、一度点検した方が良いでしょう。

湿度が高い状態では、劣化したベルトの音が鳴りやすいでしょう。

エアコンをかけるとキュルキュル音がする場合

車のエアコンも、家庭用のエアコンと仕組みは一緒です。コンプレッサーでフロンガスを圧縮して液体にし、その液体を走行風やファンの力で冷やし、車内に循環させます。車内で液体となったフロンガスが気体となり、その時に車内の熱を奪います。そこにファンで風を送って、車内に冷えた空気を循環させます。

エアコンのコンプレッサーもベルトで駆動しています。エアコンがOFFの場合はコンプレッサーは空転していますが、ONにすると空転を止め、コンプレッサーがエアコンガスの圧縮を始めます。エアコンガスの圧縮はそれなりにパワーが必要ですから、エンジンの回転を上げておかないとエンジンが止まってしまいます。

エアコンをONにすると「カチッ」と音がしてエンジンの回転数が上がり、ファンが回る音が聞こえるのはこのような仕組みが働くからです。

ベルトが摩耗したり、劣化したり、張りが弱くなっていると、エアコンのコンプレッサーを回す力が出せず、スリップして音が鳴ることがあります。

ベルトに異常がなければ、コンプレッサー自体に何か問題があるのかもしれません。

実はオルタネータ(ダイナモ、発電機)が原因かも

エンジンを始動すると、キュルキュルキュル~という耳障りな甲高い音が鳴る。ちょっとアクセルをふかすと止まる。これ、もしかするとオルタネータが原因かもしれません。

オルタネータはダイナモとも呼ばれ、発電機のことです。エンジンの回転をベルトで伝えて、オルタネーターを回転させます。オルタネーターは回転の力で交流電圧を発生させ、それを直流に変換してバッテリーを充電します。ライトやオーディオなどの電装品はバッテリーの電気で動きます。

オルタネーターには軸があり、前後にベアリングと呼ばれる軸受けがあります。ベアリングには強い力がかかっているので、ベアリングのボールが摩耗して、ボールとレールの間にすき間ができるようになります。

このすき間があるときはキュルキュル音が鳴りやすいのです。しかしエンジンを数秒から数分回すと、ボールとレールが温まります。部品どうしが温まるとすき間が減り、音が止まるのです。

オルタネーターがキュルキュル鳴り始めたら

オルタネーターは、新品で購入すると10万円を超えるような、なかなかの高額な部品です。中古品のベアリングやブラシを交換したリビルト品というものもありますが、それでも5万円前後となかなかの値段です。

なので私は、程度のいい中古品を入手して、交換しています。オルタネーターの純正品番を調べ、走行距離が少ない車から取り外したオルタネーターを手配します。

これなら高くても1万円程度ですから「とりあえずお試し」「原因切り分け」ができます。音が止まれば、そのまま使ってもらえば良いのです。

久々に技術系の記事を書きました。厳密に言えば色々ツッコミどころはあるでしょうが、厳密さを優先させると読みにくくなりますので、このレベルで勘弁してください。

では~

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