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リーフスプリングの分解整備|シャックルブッシュの車検NGと交換

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リーフスプリング。トラックやバンなど、重い荷物を積む車の緩衝装置に使われます。リーフスプリング自体が壊れることは滅多にありませんが、リーフスプリングの端っこに埋め込まれたゴムの部品が摩耗したり、壊れてはみ出したりすることは、よくあります。

リーフスプリングブッシュとは

リーフスプリングは緩衝装置なので、路面の凹凸を車台に伝えないようにする役目があります(振動を防止し、人の乗り心地、荷物の破損防止に影響する)。

リーフスプリングと車台が直接接触すると、金属同士の接触になるので、金属音や摩耗の問題が出てきます。そこで直接接触しないように、間にブッシュと呼ばれる円筒形のゴムを入れます。

シャックルはカタカナの「コ」の字になっています。上と下の横棒にブッシュを差し込むイメージです。

リーフスプリングの端っこは〇になるように加工されています。車台のちょうどいい位置にも〇の金具が溶接されています。その2か所の〇に、ブッシュを差し込んだシャックルを差し込んで、ボルトで閉めていきます。

写真で言えば、シャックルは「コ」を左右逆にした形をしていて、下側がリーフスプリングの端っこの〇、上側が車台の〇の部分で、そこにブッシュを介してつながっています。

抜けないように、右側に厚さ5mm程度の、2か所穴が開いたプレートを差し込んで、スプリングワッシャとボルトで固定されています。

リーフスプリングで車検NGになる場合

リーフスプリング本体で車検NGは経験したことがありませんが、ブッシュがダメで車検NGは何度か経験しています。

ブッシュの割れ・はみ出し

ブッシュの皿の部分が割れていたり、割れてはみ出していると、車検NGとなります。ゴムが割れているということは、耐用年数を過ぎているということですから、交換した方が良いですね。

ブッシュの摩耗

ブッシュには繰り返しの強い力が加わりますから、ゴムがだんだん摩耗していきます。ゴムが摩耗すると、シャックルの横棒とゴムの間にすき間ができて、リーフスプリングに、上下方向のガタが出ます。

シャックルの横棒と、リーフスプリングの〇の部分のセンターが取れていない、ガタガタ動く、バールを差し込んで下に動かすと大きく動くような場合は、車検NGとなりますから、交換が必要ですね。

リーフスプリングシャックルブッシュの交換

ウマをかける場所

リーフスプリングシャックルブッシュの交換は、ちょっとしたコツがあります。ジャッキアップの後、ウマ(リジットラック)をかけますが、ウマをかける場所はフレームの方が良いです。

通常はリーフスプリングの下にかけると思いますが、これだと車体の重さがリーフスプリングにかかっているため、シャックルに荷重がかかり、抜けなくなるのです。

リーフスプリングはフリーにしておきたいので、ウマをかけるならフレームという事になります。

シャックルの外し方

シャックルを固定しているナットを外し、ナットで締め付けていたプレートを外します。ここでシャックルのボルト部分をハンマーで叩けば抜けてきそうですが、まず抜けません。

私はCRCを差して数分おいて、それからシャックルの縦棒部分をハンマーで叩きます。これでも抜けないので、バールを上手に使ってテコの原理でグリグリしながら抜いて行きます。

CRCを差し、ハンマーで叩き、バールでグリグリ。これを何度か繰り返せば抜けてくれます。

シャックルが抜けない時

それでも抜けない時は、ブッシュの皿の部分をカッターで切り取り、中に残ったブッシュにドリルで穴を空けていきます。リーフスプリング本体やシャックルに穴を空けないように気を付けながらぐるっと一周穴を空けていきます。

それでも抜けない時

それでも抜けない時があります。そんな時は最終手段で、バーナーでゴムを焼いてしまいます。もっともこの方法は、リーフスプリングの強度を落としてしまう可能性があるので、あまりオススメはできません。

 

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