仙台の鈴木@道場長です。
私は見たら盗みます。その2です。約30年前。うちの工場の軒下に、蛍光灯を取り付けたときのこと。電気工事士に来てもらったんですが、職人さんが一人で来たんです。助手がいないんですね。一人でもできるのでしょうが、助手がいたほうが仕事が早いという事で、当時高校生だった私が助手を務めることになりました。工業高校の電気科だったし。
取り付けは3箇所。同じ仕事を3回繰り返す訳です。天井からチェーンを垂らして、そこにAC100Vのケーブルを絡める。蛍光管の台座の一箇所をハンマーで軽く叩くとパコンと取れるので、そこにケーブルを通す。ケーブルの先端を決まった長さで剥いて、台座の電源に差し込んで固定。台座をチェーンで固定して、グロー管をねじ込んで、蛍光管を取り付ければ完成。
その一連の工程を、全部盗む訳です。次に何をするか、どの工具を使うかは、全部頭の中に入れました。
そして2箇所目の作業開始。職人さんは脚立に登って高所で作業していますから、私が下から必要な工具や材料を全部渡します。「えーっと○○を・・・」職人さんが指示を言い終わる前に、必要な工具を目の前に差し出します。一瞬驚いた様子の職人さんでしたが、その後は心得たもので、阿吽の呼吸でサクサクと仕事が進みます。3箇所目はさらに短時間で終わり、職人さんに「流石県工だなや」とホメられて作業終了。電気工事士も取れなかったダメダメ県工生だったけれども、高校時代の唯一のいい思い出。
強い興味と関心。それと技を何としてもモノにしたいという強い思い。これらがあれば、技を盗めるのではないかと思います。
では~