※これは2016年にFacebookに投稿した記事をリライトしたものです。
お盆を前にして、福島県相馬市に2箇所あるお墓を掃除しに行った。最初に向かったのが叔父夫婦が眠るお墓。次に向かったのが祖父が眠るお墓である。
「鈴木の家の宿題は私の代で片付けて、楽しくて、気持ちの良い家とする。不幸な死に方をする人は誰も出さない。」叔父夫婦、祖父の墓前でそれぞれ誓った。
叔父夫婦が眠るお墓に花を供えると、お線香の煙の中、オーデコロンの香りがした。周囲にいる参拝客のものだろうか。ふと懐かしさを憶えながら、叔父夫婦のお墓を後にした。
車で5分程移動し、今度は祖父が眠るお墓。
お墓の掃除をしていると、再びオーデコロンの香りが強く漂って来た。周囲に墓参の客はいないし、私も香水はつけないから、香りの出処は全くの不明。不思議に思いつつお墓を後にしたのだが、仙台に帰ってからも、同じ香りが再び私の鼻腔を刺激した。
嗅覚は遠い記憶を呼び覚ます。私が子供の頃、叔父が一緒に暮らしていた。その叔父の私物のオーデコロン。四角くて、黒いデザインのビンだったと思う。
そのビンをうっかり棚から落としてしまい、角の部分が欠けトクトクと中身がこぼれ出た。
子供の頃に感じた、叔父のオーデコロンの香りは、お墓で感じたあの香りではなかったか?お盆の墓掃除に合わせて、叔父が帰ってきたのかもしれない。