仙台の鈴木@道場長です。
インターネットの世界って、思ったことはたいがい実現できる世界なんですね。FaceBookだって、LINEだって、誰かが「こうしたい」「ああしたい」と思ったから実現できたんですね。で、そういうのを作る時に「知恵」を出して「汗」をかいた人が富を得たんですね。
私はもう20年近く使い続けているメールアドレスがあって、色んな所で公開していたものですから、毎日のようにSPAM(迷惑メール)が届くんですね。1日100通位は届きます。SPAMは本当に頭に来ますね。許しがたい。できればスパマーの家に乗り込んで、顔面に縦拳を叩き込みたい、でもそんな事はできるはずもない。なので私はSPAMを自動で振り分けてくれるツールを探したんですね。
OutlookやThunderbirdなどのメールクライアントに付属してる振り分けツールは有効ですが、設定がちょっと面倒だし、そもそもスパマーはそういう設定をかいくぐってメールを送ってくるので、いつまでもいたちごっこが続いてしまう。
で、見つけたのがSPAMFighter。これはSPAMのデータベースを持っていて、SPAMが大量に送信された時点で、世界中から「このメールはSPAM」という報告を受け取り、データベースに登録する。メールを受信する時に、このデータベースを照会して、SPAMならごみ箱は放り込んでくれる。なかなか上手いしくみですが、有料なんですね。有料。分かりますよ。開発費だって回収しなければならないし、データベースの維持費だってかかる。でも有料にするほど使えるかというと、そうでもない。結構取りこぼしもあるし、全然振り分けてくれない時もある。メール送信をする度に
「私は無料の SPAMfighter を個人で使用しています。
現在までに 67724 通の迷惑メールを削除しました。
ライセンスを購入すると、メール本文にこのメッセージは追加されません。」
なんて勝手に追加するのも気に食わない。「へぇーっ、鈴木さん迷惑メールと戦ってるんだ。スゴイですね~」なんて真面目に返されて、何て説明すれば分かってもらえるか、しばらく考えちゃったじゃねーか(笑)
で、私は知恵を出すわけです。メールの受信は「POP3」というプロトコルを使っている。これは自分宛の郵便物を保管しておいてくれる「郵便局の私書箱」に「郵便物を取りに行く」というイメージなんですが、私が直接取りに行くんじゃなくて、誰かに代理で取りに行ってもらう。その代理の人が「これはDMだね」「これは仕事の郵便物だね」と郵便物にハンコを押して、自宅のポストに入れておいてくれる。私はポストの郵便物を取り出して、ハンコを見て、DMなら開封せずにゴミ箱へ放り込み、それ以外は目を通す、と。
そういう仕組み、誰かがとっくに作ってるよね~と思ったら奥さん、あったんですよ(笑)。POPFileという完全無料のツールがね。メールを取りに行ってくれる代理の人(プロキシ)がこのツールのキモ。プロキシの設定を行い、何通かSPAMを受信して学習させると、かなりの高精度でSPAMを判定してくれる。メールのヘッダーにSPAM判定用の文字列を入れてくれるので、その文字列が入ったメールはゴミ箱へ放り込む設定にしておけばいい。SPAMに悩まされることもないし、SPAMFighterみたいに余計な広告を文末にくっつけられることもない。
でもね、このツール、素人にはちょっと敷居が高い。「素人」とか「知ろうとしない人」には優しくない。私でもちょっと悩んだし「汗」をかいて導入した位だから、素人にはマニュアルを読んでも宇宙語でしょう。それでも、「汗」をかいてでも導入する価値のあるツールだと思います。
私が尊敬するプログラマーの中村正三郎さんは「インターネットの世界は。金がないなら知恵を出せ、知恵がないなら汗をかけ、汗が嫌ならやめてしまえという世界である」と言っておられた。全くその通りだと思う。
ちょっと敷居は高い。汗をかかなきゃならない。でもちゃんと設定出来た時の満足感は高いよ。ぜひトライしてみて~。