「自動車整備工場様向けの、情報システムのご案内です」
そう言いながら飛び込みのセールスマンがやってきました。
私より年長の方ということもあり、無下にお断りしても失礼かと思い、少しだけお話させてもらいました。
「顧客管理と車両管理のシステムです」
「車検のご案内、リコールのご案内を印刷できます」
「作業工数や部品代の表示、帳票への出力も可能です」
「如何でしょうか?」
ふむふむ。なるほど。ここからは私のターンです。
「全部Excelのワークシート関数とマクロで自作しています」
「作業工数はFAINESシステムで、部品代はPartsfanで分かります」
「帳票も全部Excelでやってます、全部自分でこしらえました」
「素人が作ると顧客と車両をゴッチャに管理してしまいますが、私は顧客と車両を分けて、間を顧客コードで紐づけしています。」
「事業規模が小さいのでまだExcelですが、データベースにいつでも移行できるよう、正規化を済ませた状態でワークシートに保存しています」
「SQLは書いていませんが、ワークシート関数で同様のことはできますね」
「で、これを超えるような『何か』はありますか?」
私は元・日立SEであり、情報処理技術者試験の講師もしていましたから、情報システムのお話でしたら、それこそ何時間でもお話できます。
それでも時代は移り変わっているし、システム開発を取り巻く環境は進化しているでしょうから、何か得るものがあればと話を振ってみたのですが、そこで会話が止まってしまいました。
う~ん、残念。
最後に一言だけ、自動車整備工場相手の営業マンに、どうしてもお伝えしたいことがありました。
「どの業者さんも言うことは一緒で、『業務をソフトに合わせて下さい』ですよね。でも業務というものは、理念とか企業文化があって、そこを出発点として一つ一つ積み上げて、少しずつ改善を重ねて構築するものなのです。
ですから同じ自動車整備業であっても、業務はどの会社も違うはずなのです。そこへ最大公約数的なソフトを持ってきて『今日からこのソフトに合わせて業務を変更してください』と言われても、すんなり受け入れられるはずがありません。
そんなことを言うと『そこはカスタマイズで対応致します』とか『別料金で御社に合わせてソフトを改良致します』と言う業者さんがいるのですが、もうその時点で『ウチはいいよ』と言われますよね。そこで自動車整備工場の心を動かす何か一言が言えるかどうかなのではありませんか?」
自動車整備工場を経営している人が作った情報システムだったら信頼していい。でも現実にはそんな暇な人はいないし、その知識も、能力もないのが普通。
SI業者は情報システムを構築する知識も能力もあるけれど、業務の理解がない。
だから私は言うのです。「情報システムは自分でこしらえろ」とね。
うちのように、事業規模が小さい自動車整備工場さんで、自前で情報システムをこしらえたいという方は >>> こちら にご相談下さい。パソコンとExcel、プリンターさえあれば充分です。
知り合いの業者からパソコンを購入したり、プリンター複合機を購入していただければ、基本無料で教えています。
では~