やがて神主さんが登場し、太鼓が打ち鳴らされ、ご祈祷が始まる。
一人一人、住所と名前を読み上げられる。
私の名前が一番最初に読み上げられる。一番最初に申し込んだわけでもないのだが、これだけ人がいて、私が最初というのも偶然。
やがて全員の名前が読み上げられ、最後に代表者による玉串奉奠(たまぐしほうてん)が行われるのだが、
「それでは、参拝者代表は、仙台市宮城野区中野にあります鈴木ボデー工業所様にお願いします」
と言われ「お、俺?俺なの???」と驚く。
もちろん内心の動揺は一切見せずに、御神前に進み、淡々と玉串を捧げ、二礼二拍手一礼を行う。
普段道場でやっている通りの作法である。
あれだけ参拝者がいて、何故私の会社が一番最初に読み上げられたのか?なぜ私が参拝者代表だったのか。
作業着姿の私ではなく、着飾った参拝者の中から選んでもよかったであろうに。
だが、そこに「お導き」のようなものを感じるのである。
塩釜神社には、一年に何度も参拝に出かけている。
毎年のように、塩釜みなと祭のお手伝いをしている。
神棚を新しくしようと決断したら、
急に仕事が増えて必要な費用を賄うことができた。
そう考えると、偶然ではなく必然だったのではないのか。
もし神様の声が聞こえるならば、
それは「大丈夫、大丈夫。」なのではないかと。
私の尊敬するスピリチュアリストからも
「道場長さんは大丈夫よ」という言葉を何度もいただいている。
大丈夫、大丈夫。
私とその周囲の方々には、素晴らしい未来が待っているだろう。
・・・おわり。