故障修理事例

BMW光軸調整ロッド交換で10万円を2万円に抑えたはなし

投稿日:


BMW。うちに入庫する数少ない外車です。

半年に一度のタイヤ交換、2年に一度の車検で入庫してもらい、その都度丁寧に整備させてもらっています。

いつも通り車検整備を終えて、陸運支局で検査を受ける、その前に予備検査場で光軸を調整する、そんなダンドリでいたのですが、問題は予備検査場で発覚しました。

BMW 光軸調整できない

光軸調整は、ヘッドライトの光を計測機器に当て、ヘッドライトについている調整用のダイヤルを回すことで行います。

上下の調整と、左右の調整で、光軸を既定の範囲内に収める。バルブや反射板に問題がなければ、光軸調整ができた段階で光量も確保されます。

予備検査場の社員さんが、光軸調整のダイヤルを回しながら、怪訝な表情を浮かべています。見ればダイヤルを回しても光軸は全く動かず、大きく下を向いたままになっています。

それどころか手でゆすってみると、バルブがガタガタと動いています。これでは光軸調整どころか、ヘッドライトとして全く使い物にならないでしょう。

この時点で車検は無理と判断し、工場に帰って対策を検討することになりました。

光軸調整はどのようにして行うのか

ヘッドライトレンズは非分解になっていて、その中に近目(ロービーム)のバルブ、遠目(ハイビーム)のバルブ、スモールランプ、ウィンカーランプが格納されています。

一枚の板に2つの穴を空けて、そこに近目と遠目のバルブが固定されており、その板を上下方向、左右方向に動かして調整する、そんなイメージです。

その板には上下方向に押すロッド、左右方向に押すロッドが取り付けられ、それぞれダイヤルを回すことでロッドを押したり、引いたりして、光軸を調整しています。

今回の問題は、そのロッドが折れる(割れる)ことで発生しました。

BMW 光軸調整用ロッドが折れている

BMW 525iのヘッドライトは、レンズ内に上下方向の調整ロッド、左右方向の調整ロッドがあり、そのロッドで光軸を調整しています。このロッドはプラスチックで、経年劣化するとパキンと折れる(割れる)のです。

このロッドが折れてしまうと、光軸の上下左右の調整ができなくなり、ヘッドライトは下を向いたままになってしまいます。つねにグラグラしているので、正面から見ると、ヘッドライトの光が下を向いたままガタガタと動き続けるように見えます。運転している人から見ると「暗い」「遠くを照らしてくれない」と感じます。

BMW 光軸調整用ロッド 部品

BMW 525iの光軸調整用ロッドは、部品が出ています。プラスチックとアルミの2種類がありますが、プラスチックで十分です。

長く乗る、こだわりたいという方は↓こちら↓のアルミ製がオススメ。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

BMW E39 後期 ヘッドライト用光軸調整ロッド アルミ製2個セット _59519
価格:8175円(税込、送料無料) (2021/3/30時点)

楽天で購入

 

 

BMW 光軸調整ロッド 交換

↓こちらのサイト↓を参考に作業させてもらいました(いつもお世話になります。ありがとうございます)。

狭い場所からクチバシの長いラジオペンチを使って取り付けることになるので、なかなか骨の折れる作業です。光軸調整用のダイヤルの先にロッドの破片が残っているので、それも完全に取らないとなりません。

私はヘッドライトレンズの反射板の裏側2か所に四角い穴を空け、そこからロッドの破片を取り除き、新しい部品を取り付けました。不可逆的な加工になりますが、その方が断然作業効率が高く、定位置に取り付けることができるようになります。

BMW ヘッドライトレンズ 加工

BMW525iのヘッドライト光軸調整用のロッドを交換するに際し、水色の〇で囲んだあたりに四角く穴開け加工を行いました(写真撮り忘れたorz…)。

穴あけ加工の際は、アクリル板を切るときに使うアクリルカッターを使いました(安いカッターで十分事足ります)。

 

当然ですが、作業後は穴を塞がないとなりません。私はマフラーの穴を塞ぐアルミテープでピッチリと貼り付けました。

BMW ヘッドライト 光軸調整ロッド 交換後

作業が終わりましたら、外したバルブ、防水ゴム、レベライザーを取り付けて、ヘッドライト本体を車体に取り付けて、再び予備検査場に向かいます。

検査機器の前で、ドキドキしながら待ちます。これで光軸調整ができなければ、ヘッドライトレンズのAssy交換しかありません。

「(光軸が)だいぶ狂ってますね~」(そりゃそうだよ)
「(ダイヤルを)回すの怖いな~」(大丈夫だから)
「明るさ出るかな~」(確かにそれも怖い)
「おっ、おっ・・・おぉっ、バッチリです!」パチパチパチ

その後車検を無事通し、残りの整備を済ませて、無事納車することができました。

ヘッドライトレンズをAssy交換したら、部品代が片方5万、両方で10万円。今回の作業で部品代が1000円で工賃が約2万円。不可逆的な加工を伴う修理でしたが、お客さんの出費を最小限に抑えることができて、喜んでもらえました。

-故障修理事例
-, , , , , , , , , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

スズキ車のエンジン警告灯点灯|P0130|O2センサー回路(バンク1-1番センサー)

スズキ車で、エンジン警告灯が点灯し、診断機でP0130(O2センサー回路(バンク1-1番センサー))を検出した時の対処法です。 エンジン警告灯が点灯 スズキ車(スズキ車OEMのニッサン車)で、エンジン …

ワゴンRエアコン修理費用|コンプレッサー、リレー、プレッシャスイッチ、リコール|MC22S

ワゴンRのMC22S。ワゴンRとしては発表されてから20年近く経っていますが、まだまだ現役で活躍しているのをよく見かけます。うちの工場では、サービスカーとしてMC22Sが現役で動いていますが、先日思わ …

マフラーが折れたら|修理代はどのくらいかかるの?

マフラーから鳴り響く、突然の「ボボボボ」音。エンジンをかける度、隣近所にいい音が響き渡ります。走っていた方や色々いじっていた方でしたら馴染みのある音だとは思いますが、それ以外の圧倒的多数の方々は「修理 …

ハイエースのタイミングベルト交換費用|ランプ(警告灯)の消し方|手順書

ハイエースのタイミングベルト交換。「LH168V」と「LH178V」のハイエース2台のタイミングベルト交換をご用命頂きました。どちらも30万キロで3回目のタイミングベルト交換となります。40万キロで再 …

スズキエブリイバンDA64Vの異音|オルタネータ(ファン)ベルトのテンショナ交換

スズキエブリイバン。荷物も積めて、走りも軽快で、商用車としてとてもいいクルマだと思います。今回は「ガラガラ」という異音が鳴り続ける症状で入庫したエブリイバン(DA64V)の点検と対処方法です。 スズキ …

ブログ内検索