※これは2016年にFacebookに投稿した記事をリライトしたものです。
『2017年は新しいステージ』
【今取り組んでる整備が終わったら、
整備士としての経験は終わりだから。】
ん?誰?どういうこと?
【自動車整備士として一通りの作業を経験したってこと。
これ以降はやったことのある作業しか来ないから。】
暮れも押し迫った12月30日の夜。
私はハイエースの整備に追われていた。
12月は死ぬほど忙しかった。
多忙、忙殺。まさに師走。
そんな時に、前に整備した箇所からのオイル漏れが再発、
再度入庫してきたのが今取り組んでいるハイエース。
何度も同じ部品を取り寄せ、
分解整備すること3回目。
走行テストは200kmを超え、改善の兆しは見えつつも、
それでもなお、オイル漏れはゼロにはならない。
この状態ではお客さんには渡せない。
再々入庫なんてことになったら信用問題。
何とかして年内には渡したい。
大晦日は工場の大掃除をして、
気持ち良く新年を迎えたい。
そんな私の気持ちを無視するかのように
オイルは漏れ続け、その度にガッカリさせられる。
次第に削られていく気持ちの余裕。
そんな中、頭の中に聞こえてきたのが最初のセリフ。
【準備が整ったんだよ。誰かを雇う準備がね。】
え?そうなの?人を雇うなんて
まだまだ先だと思ってたんだけど。
【だから言ったじゃん。
来年からは、経験済みの作業しかやってこないって。
どんな作業でも経験済みだから、余裕でこなせる。
誰かに任せて、空いた時間で別なことができる。】
確かにそうだけど、人を雇うって簡単じゃないよ。
【でもさ、母校の工業高校を訪ねてさ、
進路指導室の先生と話をしようとしてるでしょ。
求人票の出し方とか、待遇とか、聞こうとしてるでしょ。
アタマの中ではさ、もう人を雇う準備が整ってるんだよ。】
た、確かに。
【でしょ。2017年から次のステージ。人生楽しんで。】
明日は大晦日。朝イチで再度走行テストを行う。
うまく行けばお客さんにお渡しできるし、
うまく行かなければ越年でお預かり。
どっちみち、ちゃんと直してお客さんにはクルマをお返しする。
それで自動車整備士としての一通りの経験はおしまい。
2017年は次のステージ。
みなさん、よいお年を!