中古車の簡単車査定?
「車種・年式・走行距離を入力頂くだけ!」「30秒で簡単クルマ査定!」というラジオCMを時折耳にします。私は「そんなうまくいくかな」と思いながら聞き流しています。でも、車買取業者は「査定相場表」とか「買取金額相場表」と呼ばれる相場の表を持っていますから、車種・年式・走行距離が分かれば、買取金額の上限~下限の金額を提示することは難しいことではありません。
車買取業者は当然次のアクションを用意しています
では、簡単車査定に申し込んだお客さんに、買取金額の範囲を提示したらそれで終わりでしょうか?当然ですが、業者は次のアクションを用意しています。何とかしてお客さんに電話し、査定士派遣のアポイントを取り付けるのです。お客さんはあまり売る気はなく、「相場が分かればそれでいい」とか「冷やかし」というレベルだったのに、電話口で巧みに査定士による査定を約束させられてしまいます。
お客様に電話をかけるためには、電話番号が必要です。簡単車査定のサイトには入力フォームが用意されていると思いますが、入力必須の項目に「電話番号」があり、電話番号を入力しないと「送信」ができないようになっているはずです。
「断ったら悪い」という心理
この「電話」というのが一つのポイントだと思います。メールでしたら無視したり、迷惑メールのフォルダに振り分けてしまうこともできるのですが、電話だとそうはいきません。電話口で「大事に乗ってこられたのですね」とか「普段は通勤でお使いなのですか」という感じの会話が続きます。よくよく考えると、「そうそう」とか「はい」と答えさせる質問が多いのです。Yes、Yes、Yesと続くと、次の質問もついYesと答えてしまうのが人情というもの。何度かYesが続いたところで「一度査定を受けてみませんか?」と誘われるとつい「Yes」と答えてしまうのです。
買取相場の範囲は結構広い
また買取相場の上限~下限の範囲は結構広くて、自分の車がその範囲のどこにいるのか、素人ではなかなか判断がつかないものです。そこで「査定を受けていただければ買取金額をズバリご提示致します」と言われると、人はついグラッと来てしまうのです。そこで背中を押す一言が「出張査定は無料です」という言葉なのです。
査定士の私にできること
私は巧みな話術もないので、売る気のないお客様に無理やり売らせるようなことはできません。ご売却のご意思が強いお客様からご連絡を頂いて、お車を拝見し、現状を淡々と査定させてもらう。査定士である私が唯一できることをさせてもらう。それだけなのです。