オイルシールです。
エンジンは、ガソリンと空気の混合気を圧縮しながらスパークプラグで点火させ、爆発する力を回転運動に替えて、前に進む、発電する、ステアリングのパワーアシストをする、冷却水を循環させる、エアコンガスを圧縮するなど、様々な事に利用しています。
エンジンには回転する「軸」があります。この軸の回転を生み出す部分は、金属と金属がすり合う場所でもありますから、潤滑が必要になります。潤滑を担当するのがエンジンオイルで、エンジンオイルをポンプで吸い上げて、金属どうしが触れ合う部分にバシャバシャとかけて、潤滑を保っています(定期的なエンジンオイルの交換が必要なのはこのような理由です)。
この回転運動を行う軸は、エンジンを貫き、外に飛び出しています。片方にはプーリーを取り付けて、ベルトで発電機やウォーターポンプ、エアコンコンプレッサーに回転の力を伝えています。もう片方にはミッションを取り付けて、タイヤを回転させる力に変換されています。
問題はエンジンの内側と外側の境目です。
エンジン内部はエンジンオイルが至る所を巡り、潤滑させています。しかしエンジン外部にオイルが漏れ出てしまったら、エンジンの下からオイルがポタポタとこぼれ落ちます。またエンジンオイルが不足すると、潤滑が不十分となり、エンジンを壊してしまいます。
つまり、エンジンの内側と外側で、エンジンオイルを外に出さないしくみ(オイルシール)が必要となります。
エンジンには回転を伝える軸が、エンジンを貫き外に飛び出しています。この軸の所からエンジンオイルが漏れないようにするのがオイルシールの役目です。
オイルシールは回転を伝える軸(クランクシャフトやカムシャフト)を、ゴムとバネの力で締め付けながら、内部を潤滑しているエンジンオイルが外に出ないように、締め付けを保ち続けています。
このオイルシールが劣化したり、摩耗すると、オイルが漏れが始まります。
値段も数百円の小さな部品ですが、とても大切な役割を担っているのですね。