仙台の鈴木@道場長です。
合気道には「胸取り」という掴みかたがあります。相半身(お互い右半身、もしくはお互い左半身で立つこと)で立ち、後ろ足を一歩前に出して手を伸ばし、胸ぐらを掴む。左半身から始まるなら、右足を一歩踏み出して、右半身になりながら右手で掴む、そんな感じです。胸ぐらを掴まれるという事は、自由を奪われた上で次に何らかの攻撃を受けるという事で、かなり危険な状態と言えるでしょう。
一歩踏み込む時のスピードは「歩く速さで」と伝えられています。この「歩く速さ」というのが結構深い。歩くというのは意外と早いんです。ボクシングのジャブのような速さではなく、いつの間にか届く速さとでも言いましょうか。来るのが予想しにくい、わかりにくい、さばきにくい、そんな感じですね。
さて、この胸ぐらを掴む瞬間に拳を軽く握ったらどうなるでしょうか。一歩踏み込みながら、最短距離で胸を取りに行く要領で拳を当てる。前のめりにバランスを崩して、壁に手をつくかのように相手に拳を当てたらどうなるでしょうか。私の体重80キロに相当する重さを持つ拳が胸に当たったら、堪える事ができるでしょうか?
歩くスピードで、胸取りの要領で軽く打つ。合気道の当身というのは、普段稽古している技の中に、このような形で伝わっているのではないかと最近思っています。
この突きを体験してみたい人は、当道場へお越し下さい。面白い体験ができると思います。