合気道 気づき

私が組織を作るとしたら

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仙台の鈴木@道場長です。

私が「組織」を作るとしたらどうするでしょうか?恐らく宗教団体を参考に、以下のようにするでしょう。

 

※特定の職業を非難する表現が出てきますが、「私が教祖様の立場だったら」という前提で書いたものです。その前提でお読みください。この前提が理解できない方は読まない方が無難かと。
※ちなみに私は「教祖様」は大嫌いです。「地獄に落ちろ」と思ってます。

 


 

まず私自身の「話術」や「プレゼン」を徹底的に磨きます。私しかできないような特殊な操体技術があればそれを前面に押し出します。そして自分の考えをブログや書籍を通して世に広めます。動画もふんだんに使うでしょう。

何人か集まってきたら、とにかく彼らを厚遇します。彼らと協力してイベントをこなし、寝食を共にして強い仲間意識を持たせ、私の考えを忠実に伝えるクローンを作ります。彼らは「幹部」と称する「取り巻き」となります。

取り巻きの助けを借りて、情報宣伝活動を展開し、「信者」を一気に集めます。家庭や仕事、人間関係で悩んでいる人の相談に無料で乗る、あるいは無料の英会話教室などの「信者ホイホイ」を作るでしょう。有名人に広告塔になってもらうのもいいですね。そうして集められた信者には、組織への帰属意識を持ってもらうために、ロゴマークの入ったワッペンやバッジ、グッズを身につけてもらいます。

信者は厳選します。自営業や親が商売人など、組織からはみ出しそうな者、自分の頭で考える者は排除した方がいいでしょう。サラリーマンや主婦、公務員なんかは理想ですね。高校や大学の先生もいいですね。先生という職業の人は、世間知らずな割に自分は頭がいいと思っているし、何より学生を連れて来てくれますので。こんな感じで自分の頭で考えない、他所を知ろうとしない、盲信してくれる都合のいい人だけに残ってもらいます。

信者から「お布施」と称した金品を集めます。尊い「信仰心」を利用するから簡単にお金が集まってきます。「心のお金」「浄財」ではありますが、カネはカネ。単なる数字にしか過ぎません。そうなると私はもう本業を持つ必要はありません。会社や商売は手放して、プロとして組織運営に取り組みます。専門の「教会」を建て、取り巻きの生活を支え、さらにお金を集めます。

私を盲信してくれる人達ばかりですから、お布施が滞ったら「地獄に落ちるよ」「人生真っ暗闇だよ」と言えば、借金してでもお布施を払ってくれます。便利なコンビニ振込やカード決済、口座引き落としも用意します。がんばって建てた「教会」のローンも固定資産税も払わなければなりません。何より私の生活費も必要ですからね。

「信者の某が別の宗教団体の道場に入っていくのを見かけた」こういう密告があれば、他の信者の目の前でその信者を名指しで小一時間説教。他所の宗教団体に行かれたら私の稼ぎが減ってしまいますからね。私に説教された信者は涙を流して許しを請い、それを見た他の信者は「絶対にああはなるまい」と心に固く誓います。

私は取り巻きに信者の監視強化を命じ、取り巻きは忠実に従ってくれます。取り巻きも生活がかかってますし、明日は我が身なので必死です。私が直接命じなくても、恐怖心で信者を支配できるようになります。

ん?いつのまにか「婦人部」ができていたようですね。女性だけで楽しくやってるようです。私の利益になるなら構いませんが、ならないなら解散させましょう。

ん?取り巻きが独立して新しい団体を作る動きがあるようですね。早めに潰してしまいましょう。不倫や痴漢、ストーカーなど破廉恥な事件で濡れ衣を着せてやればいい。信者には弁護士も司法書士もいますから楽勝ですね。

気がつけば私も還暦を過ぎ、そろそろ息子に組織を譲らないとなりません。信者からは「若先生」なんて呼ばれて天狗になっているようなので、ちょっとだけ手綱を引き締めておきます。でないと私が死んだ時に組織が瓦解してしまいますからね。

息子には信者を増やす方法、信者の管理、お金の管理、信者を引き止める方法、人心掌握術など、組織維持に必要な事を叩き込んできました。若い頃からこの道に引き込んだので、世間知らずのまま育ってしまいました。そんな息子が生きていくためには、この組織をそのまま渡すしかありませんからね。

組織運営は疲れます。常に人を疑い、他所の宗教を見せないように、出て行かないように腐心し続ける毎日は想像以上のストレスです。最初の理念?う~ん、何でしたっけ?もう思い出すことすらできません・・・

 


 

恐らくこんな感じになると思いますが、実際にはやらないでしょう。お金は稼げるでしょうが、バッドエンドを迎えるのは目に見えていますので。

「組織」ってよっぽど気をつけていないと、最後はこうなっちゃうんです。だから一番いいのは「個」の集まり。それぞれが独立した「個」。その「個」が集まって何かをする。上も下もなく、支配したりされたりもなく、無理強いしたり我慢したりもない。それが一番いいんです。

誰かに支配されるために生まれてきたわけじゃないのでね。

では~

 

 

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