タイヤ

爆発ビード上げ

投稿日:2014年4月19日 更新日:

爆発ビード上げ。揚げ物ではありません。タイヤをホイールにハメる時の技の一つです。

タイヤはホイールにハメ込んで、内側から空気を入れて膨らませる事で、ホイールと密着させます。空気の圧力でタイヤをふくらませて、空気の力でホイールに密着させるんです。自転車のタイヤのようなチューブは入っていないんですね。

で、ホイールとタイヤが接する部分を「ビード」と言うんです。新品のタイヤだと、タイヤが潰れてしまっていて、内側と外側のビードが異常に接近している事があるんです。タイヤは通常平積みで保管しますから、下の方にあるタイヤは潰れていて、内外のビードがくっつきそうになってます。これが作業上ちょっとした問題になるんです。

内外のビードが近いということは、ホイールとタイヤの隙間が大きいということ。つまり空気を入れて膨らませる工程で、隙間から空気が漏れ続けてしまい、膨らませる事ができないんです。その結果ホイールとタイヤはいつまで経っても密着できないという悲しい状況に陥ります。

もちろんタイヤショップでしたら専用の機械がありますから、何の問題もなく解決できるんですが、うちはタイヤ専門ではないのでそういう設備はない。さてさて、どうする???

いい時代になりました。同じ問題で悩んでいる人が、解決方法をYouTubeで公開しているんです。「爆発ビード上げ」の動画をじっくりと見て、捨ててもいいタイヤとホイールで練習して、いよいよ本番。

内外のビードが近いタイヤをホイールにハメ込んで、バルブの虫ゴムを外しておきます。タイヤの中にCRCを何度か吹き付け、チャッカマンで火を近づけると・・・

「ボンッ!」

爆発音と同時に、タイヤが急激に膨らんで、ホイールと密着します。高い圧力の燃焼ガスは虫ゴムを外したバルブから勢いよく抜けて行きます。燃焼ガスが抜け終わると、そこには内外のビードが広がって、ホイールと密着した状態のタイヤが何事もなかったかのように佇んでいます。改めて虫ゴムを装着し、空気を入れ直し、水に沈めて空気漏れがない事を確認したら、ホイールバランスを取って作業終了です。

最初は怖いですよ。タイヤが破裂して暴れまわったらどうしよう?タイヤが燃えちゃったらどうしよう?色々考えてしまいますが、YouTubeをじっくりと見て、何度か練習してからの本番でしたから、問題なく作業を終える事ができました。

カネがナイ。設備がナイ。教えてくれる人もいナイ。ナイナイづくしなんです。だから工夫するしかナイんです。

では~

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